足音を意識して練習していると,徐々に足裏の感覚が気になるようになってきました.
こちらのブログ「借りぐらしのウメエッティアニメーションダンサーUME2のブログです」の中に下記のような記載があったのを思い出しました.
床との接し方を、「精神面」と「技術面」で、解きほぐしていきます。
「精神面」での、床との関わりあいについては、それは「床を愛すること」すなわち「床とダンスをすること」、そして「床をダンスの一部とすること」だと、考察します。
(空中パフォーマンスなどの一部の特殊なパフォーマンスを除いて)ダンスは、必ず床があって成立します。床が無ければステップもリズムもなにもありません。あたり前のようですが、これが意識できていると、床の使い方がまったく変わります。
そして、床を、愛する人に接するように、大切に大切に、扱ってあげるのです。
そうすると「床とダンス」が出来るようになります。言い換えると、それは「床がダンスの一部となる事」となります。
ハイレベルなダンサーのダンスをみれば、それらは例外なく、床と一体化したダンスである事が観察できるでしょう。
つづいて「技術面」での、床との関わりについてです。
床と接するにあたり、どのように身体を操作するのが望ましいのか。
まず心がけるべきは、膝を柔らかく、出来る限り足音を立てずに踊る事です。
(※足音を立てる事を目的とした動きのダンスもありますが、話がブレますので、ここでは論じません。)
膝を柔らかく使う事は、あたり前のようで、でもとても重要なポイントです。
ステップを踏む時も、飛び上がって着地する時も、膝を柔らかく、足音を立てないように踊ります。
足音がしない動きというのは、筆舌に尽くしがたく、とても美しいものとなります。
次に心がけるべきは、床に足をつく(手をつく)時に、「置くようにつく事」です。
一歩一歩を確実に「置く」のです。
ちょんちょんと「触る」ように足を付いたり(手をついたり)してはいけません。
(※振付や演出によって、あえてそうしている場合は除きます。)
そして、足の裏(手を付く場合は、手のひら)で、床の感触を、正しく感じとるのです。
床の感触を「感じる」という事は、「床の硬さ」「床の温度」もとい「床を知ろうとする行為」であり、そして「床の感触を感じる動作」が、床を愛する動作へつながっていきます。
また、手足だけでなく、膝や肘、もとい全身を、床と触れ合わせ、身体のすべての面が、どのタイミングでも「床とダンスを踊れる」ようにトレーニングしておくことが、大切です。
素晴らしい内容ですね.
足音を意識して練習すると自然に軸足にしっかりと加重することを意識しています.着地する足の着地に意識をおき,その後,その足に加重しもう一方の足を自由に動かしていく.
このような感覚のなかで足裏から伝わる床の感触に意識が向くようになってきました.
上半身のリラックスが非常に重要だとも感じており,Groove感を生むには骨盤運動により,脊椎を柔らかくリズミカルに動かすことが重要だと感じていますが,上記記事のようにそもそも床との接地面から力をえて体幹を動かすことになるので,床→腰→体幹末端の動きというようなイメージが良いのかもしれませんね.
先日読んだ日野晃氏の著書「古武道入門」のフレーズがこちらで紹介されていますがhttp://www.hino-budo.com/hon/shinkan-nyumon.html
その中で
相手の意識の変化・攻撃の意志の起こりを察知する為の能力は、相手に対する気遣い・気配りであり、それらは人間関係を円滑に行う為の、また、仕事を円滑に行う為の目に見えない一番大切な能力である。
というところから言えば、人間関係術として現代で大いに役に立つのだ。もちろん、人間関係のみならずここに上げた要素は、現代のスポーツでも役立たせる事は出来る。
また、ものの考え方としても役に立たせることが出来る、と断言しよう。
これを読んでから,「気遣い」ということを仕事面,手術面,ダンス面でも意識してすごすようになって,良い効果を感じています.
「気遣う」といっても世間一般で思われているレベルではなく,自分の行う行為,相手の行う行為に五感を研ぎ澄まし感じることで,自分の所作が変わってくるということを感じています.
字を書くときにペンの重さ,紙とのふれあいを感じる
糸を切るときその繊維が切れていく感触を感じる
糸や器械をもつときその持っているものの質感を感じる
術者の気持ちを感じる
患者さんに触れるとき,話すとき,相手の感覚,気持ちを感じる.同時に自分の手や体に伝わる感覚も感じる
日常何気なく過ごしていた行為,今まではアウトプットだけであった行為に同時にインプットを感じること,ゼロか1かの感覚ではなく,加減を感じ取ることで,一つ一つの所作が洗練され,その行為自体が興味深いものになっています.
上記ブログの中での「床を愛する」ということはまさに「床への気遣い」ですね.
日本人が大事にすべき感覚かと感じています.大事に昇華させていきたいと思います.